好きを語りたい櫻餅

思い出の中の出来事はいちいち確認せず勢いにまかせるので正確ではないし、ライブや舞台の感想もその瞬間から忘れていくのを必死でかき集めてるので正確ではありません。網膜に録画機能をつけたい(悲願)

プロデューサーズ 小ネタ②

台詞や歌詞を掘り返してたらだいぶえげつないことになってきたので。

えげつないってのは内容的にもですが、シンプルに一市民が片手間に掘るには分量も多いし英語圏の感覚を探るのも難しいしで手に負えなそうなのでちょっといったんストップ。

とりあえずこの場面はこの作品のオマージュじゃないかな!?っていうのを主に勝手な想像でニヤニヤ並べます!!

 

<ACT Ⅰ>

◇S1 シューバート通り 

実際のブロードウェイの通りでもあり、特にセントジェームズ劇場はトライアウトを終えてこの作品がプロードウェイで上演された劇場ですが、『クレイジーフォーユー』を意識してないとは言わせないぞ!スーザン・ストローマンだし!ブロードウェイのキングで出てくる若いカップルの服装もボビー&ポリーっぽいですよね。

そしてバイオリンだけに?曲調やダンスは『屋根の上のバイオリン弾き』で、すっごいマメに十字を切りながら踊ってるシスターは『サウンドオブミュージック』から来てるんじゃないかと。『シスターアクト』も可能性あるけど、なんとなくもっと古い作品のような気がして。

警官や浮浪者や新聞少年も何かっぽいけど逆に言うとどんな作品にも出てきがちなのでどれと言えないかなぁ。個人的には警官と言えば『ウエストサイドストーリー』、浮浪者女が『マイフェアレディ』、新聞少年が『オリバーツイスト』だったら面白いけど、絶対そうだ!っていうほどのがないんですよねー。想像しすぎ?

 

◇S3 ホワイトホール&マークスのオフィス 

最初に歌う事務員さん、あちらでは黒人キャストが演じて、しかもスーザンがプロデューサーズの前にショウ・ボートのリバイバル上演を演出してたそうなので!いやーもう勝手にミュージカル創成期の歴史、という書物にしかない演目だと思ってました。これはもう『ショウボート』オールマンリヴァーのオマージュでいいですね?

事務所シーンは全員同じ方を向いて計算してる感じ、映画『モモ』の灰色の男たちしか浮かばないんだけど…ミュージカル関係ないけどドイツだしアリかな?ナシかな?

なりたいよプロデューサーの想像シーンは、もうあるある過ぎてどれと言えないーけどここはやっぱり『クレイジーフォーユー』でしょうかーーひとつひとつ細かくみていけば特定のシーンがあるのかもだけど、分析は老後の楽しみにしよう…

 

◇S4 マックスのオフィス

リプライズの振付がいちいちそれっぽくてニヤニヤしっぱなしだけど、やっぱりどれってことも?みんなやってるんだろうけど、♪全部失敗するぞーのとこの猫背腕まっすぐぶんぶん歩きは、『メリーポピンズ』でバートや煙突掃除隊があれでガンガンくるイメージがすごく強くて、どうしてもバートだと思いたい!もはや願望(笑)

 

◇S5 マックスのオフィス(翌朝)

はけるときの、逆側に一度回り込むのと、直進3歩目でツーステップ、これもみんなやってるんだろうけど、どうしても『オズの魔法使い』の黄色いレンガの道をみんなで歩き出すシーン!!だと思いたい!!希望に向かって出発するんだし!!

 

 

◇S6 フランツのアパートの屋上

 

グーテンタークぴょんぴょんのメロディやステップはバイエルン民謡によくある進行だそうで。欧米の人がきけばああなるほどってなる感じなのかな?沖縄民謡をきいて、知らない曲でもあー沖縄っぽい!と思うような感じ?

 

◇S7 ロジャーの邸宅

ここは呼び鈴の「I feel pretty ,and witty and gay」から『ウエストサイドストーリー』、生きるべきか死ぬべきかで『ハムレット』。ロジャーのアナスタシア、晴香ちゃん主演のミュージカル アナスタシアはまだプロデューサーズ制作時には生まれてなかったので残念ながら単にアナスタシア大后だけど、間髪いれずに『オズの魔法使い』、ちょっとスレスレな感じで『オイディプス王』、「Tony,Tony,Tony」で再び『ウエストサイドストーリー』と怒涛のようにいろんな作品が登場。サブは日本ではそのままサブ?としてもBW版はターバン巻いた有色人種なので何か意味ありそう。あと一気にいろいろ出てきて気が散るけど、水兵は歴史的作品『踊る大紐育』を無視できないと思う。これでニューヨークって読むのか!!と幼心に衝撃を受けたタイトル(笑) あれ、もしかして踊る大捜査線ってタイトルなにか関係ある? また出た警官はこのシーンこそ私的解釈おしてWSSクラプキー巡査でいいですか?インディアンは『ピーターパン』ですよね。

 

 

◇S8 マックスのオフィス

ガッツリ歌うからの机とか足上げとか『シカゴ』っぽい?なんかあらゆる作品をプロデューサーズなシーン探しながら見直したいーーーううう。

マックスの歌い出しはタンゴのリズムにタンゴあるあるメロディだけど特定の何かではないのかな?ラテンってよく考えたら彼らにとってはロマンス地方じゃなく南米でしたね。南米でミュージカルでっていうとエビータしか浮かばないけど、こういうとこあったっけ…?関係ないかな?

 

◇S9 おばあさまたちの国

◆M12 ビアリが来るまで

幕切れの5重唱はウエストサイドストーリーのように、ってことだけど、アマデウスで聞いたところではモーツァルトフィガロの結婚で最初にやったんじゃないんですか?(真に受けてる)(ピーターシェーファーの創作?)(マックスの中にアマデウスいるから聞いて来ようかな)(卒業してます)オペラはカウント外かな?まあ確かに遡りすぎたら全部ギリシャでやってたわ、ってことになりかねないですからね。ミュージカルにしても私としては重唱と言えばしょっちゅう重唱してる『アイーダ』を推したい。けどオマージュにするには制作年が近すぎるか。ここはおとなしく『ウエストサイドストーリー』にしておきますか。

フランツが歌っているのは実際のドイツ国歌ではありますが、この歌、大変ざっくり言うと、1番が「世界に冠たるドイツ」的な内容、2番が「ドイツの素晴らしさを世界中で讃えよ」的な内容、3番は「手を取り合って父なるドイツに統一と正義と自由を」的な内容です。で、もちろん戦争中は1番からイケイケドンドンで高らかに歌ってたでしょうが、戦後は1番2番なし、無難な3番だけ歌われるそうなのですが、ここではフランツもちろん1番を朗々と歌ってます!いろいろと大丈夫なんでしょうか!?

 

休憩

 

<ACT Ⅱ> 1ベル 開演

◇S1 マックスのオフィス

 

ここはもう完全にフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの世界。アステアステップと呼ばれる典型的なステップがこれでもかと繰り出されまくるのですが、果たして特定の作品や特定のシーンあるのかなぁ。これもものすごい数の映画を観なおさないとわからなそうなので老後の楽しみに…

 

◇S2 劇場のステージ

冒頭のピアノの音から「OK!」に至るまで完全に『コーラスライン』の冒頭と同じ!と教えていただきました!まさに!!

公演期間の途中から始まったので日本版オリジナルなのか?上手で拍手を呼ぶピルエットに高いジャンプ、どうみてもミストフェリーズ風?の黒猫は『キャッツ』。猫シアターに帰りなさい!!って言われてます(笑)

 

◆M15 迷える吟遊詩人の私

19世紀末ロンドン発の、いちおう日本を舞台にしたオペラ『ミカド』の劇中曲。あちらなりに極東の不思議な国のオリエンタリズムに魅力を感じてくれて真摯に研究したうえでの英国人らしい皮肉もいれつつの製作でしょうけど、まあ今そのままやったら大変だろうなという(そんなんばっかり)やつ。まあでも19世紀末の外国へのイメージなんてお互い様っちゃーお互い様ですからね。

◆M16 小さな木彫りの男の子

これはわからないんですけど何か元の曲がありそうな?

◆M17 ドイツのバンドを聴いたことがある?(ジェイソン)

◆M18 ドイツのバンドを聴いたことがある?(フランツ)

これこそ本当にある曲だろう!と思ったら作詞作曲メルブルックス!ないんかい!

 

◇S3 シューバート劇場の外

 

各国のbreak a leg とグロリアスワンソンについては先述の通り、あとこのシーンの最後、カルメンがロジャーを説得するところが『42ndストリート』!!

 

◇S4 シューバート劇場の舞台上

布面積の少ないスタイル抜群の美女が階段に現れるのは、フォーリーガールと呼ばれるとおり、冒頭でマックスが例えられてた伝説の名プロデューサーズジーグフェルドが確立させた、ジーグフェルド・フォーリーズというショースタイルの定番。

やかんから吹きこぼれてる?と見えるのはドイツのビール用マグカップで、ヨーロッパでペストが流行ったころに衛生のため蓋付きの物が普及したようです。あふれてるのはビールの泡。

角みたいなのがあるのはワルキューレ。北欧から英独など北西ヨーロッパ(っていう分け方あまり聞かないけど)で人気な、とってもざっくり言うと戦いの乙女の女神のイメージで、カラスのような死の翼とか、角で美酒を振る舞うとか、の逸話があっての造形のようです。ドイツはトルコに侵攻された時にイスラムシンボルの三日月がドイツ国民になぜか流行ってモーツァルトベートーヴェントルコ行進曲つくっちゃうし、フランスも三日月気に入ってクロワッサン作っちゃうし、っていうのが最初に浮かんで三日月?と思ったんですけど、もう十二分に全宗教に失礼なカオスなのに新規でイスラムまで入れないでくれ(祈)、っていうのと盾みたいの持ってたのでワルキューレに決めました。ドイツが、ヒトラーが愛した作曲家ワーグナーの「ワルキューレの騎行」もあるし、ヒトラーネタとしてあるいは戦いのシンボルとして来たのかな?

あと二人はわかりやすくおいしそうなプレッツェルとソーセージで、

最後ウーラの真っ白い鳥は、ドイツ第三帝国のシンボル、鷺(さぎ)だと思います。

ドイツのシンボルは古くから鷲(わし)で、ハプスブルクで双頭の鷲になったりそのあと普通の鷲に戻ったりして今の国旗も普通に鷲(わし)なのですが、ヒトラーナチスが目指した新しい第三帝国では鷺(さぎ)と何かで読んだことがあり、すぐには確認できてないので想像になっちゃう(さっきから全部そう)けど、真っ白だしやっぱりそうだと思います!鷲(わし)白くないもんね!鷺(さぎ)は白いもんね!

ところでヒトラーの春、は単にベルヒテスガーデン(実際にヒトラーの別荘があって愛人と過ごしていた)でのことでもいいですけど、作品じゃないけどプラハの春はやっぱり関係あります…よね…?1968年ならなおさら意識されてるかと。しかしなおさらいろいろ大丈夫だったのか!?

あと尋常じゃなく達者なタップ隊、実際のナチス制服も白手袋だったのかもしれないけど、お見事すぎるタップしてる人たちが白手袋してしんどい体制でぴたりストップさせられたりしてるのでここ『フォッシー』認定します!してもいいですよね?

 

ロジャーが舞台端に座るところ、曲調も台詞もいかにも元ネタがありそうなんだけどわからない…誰か知ってたら教えて欲しいです…

 

スターリン(露)が出てくるとこは「Эй, ухнем! 」(読めない… エイ・ウーニェム的な掛け声の感じらしいです) で、邦題『ヴォルガの舟歌』ちょっと確認したらボニージャックスが歌ってたりしたんですね!!エイ・ウーニェム的な冒頭の掛け声を「えい、こーら」にするの凄いな!!(ミュージカルじゃなくボニージャックスの話です)っていうかそういえば日本で一時期あったロシア歌謡ブームってなんだったんでしょうね?さすがに親の世代ですけど歌声喫茶って主にロシアで、そのころの歌が好きな人が先生になるから学校の合唱曲が軒並みロシアな感じで、と思ってるんですけど。黒い瞳とか流浪の民とかめっちゃ懐かしい!あ、共産主義とか学生運動とか関係あるのかな?(よくわからない余談)

次のチャーチル(英)「Rule, Britannia」(ブリタニアの名のもとに)、歌劇『アルフレッド大王』の劇中歌で、女神ブリタニア=イギリスが世界を支配するぞ!っていう、極東のミカドの国からみたらさっきのドイツ国歌1番と同じくらいあれなのでは?と思うのですが(イギリス大好きだけど若干根に持ってる笑)、そんなにわだかまることなく現在も愛国歌として元気よく演奏されるようです。

最後のルーズベルト(米)は「America the Beautiful」(美しきアメリカ)、内容が意外と平和(失礼)で「空がきれい、山がきれい、海がきれい、自由は素晴らしい」的な感じでした。

各国首脳が去ってロジャーソロ、肘をぶんぶん張って行進するドイツの歌姫は『ショーほど素敵な商売はない』のパワフルなエセル・マーマンがちらつくのでそれでお願いしたい!!

鏡の鉤十字につい感動しちゃうのは音がボレロなのも大きいと思うんですよ!!(力説)ボレロはドイツ関係なさそうだけど…スペインのリズムで、フランスのラヴェルが有名にして、日本に入って水戸黄門になったやつですよね?(最後ちがいます)。ドイツ関係ないけどめっちゃ圧巻のシーンだし雰囲気バリバリ合ってるから良し!!!あ、いやいやいやいや今おもった、振り付けだ!!振り付けが合ってるんじゃない?ベジャールボレロの、中心を囲んで圧倒的にまわるやつ!!

 

 

◇S8 シンシン刑務所~シューバート劇場

さあ歌おう!!はSing Sing !(シンシン刑務所とも駄洒落)で、ここはやっぱりミュージカル映画の代名詞『雨に唄えば』でしょう!!囚人が並ぶみたいなのも元ネタがありそう(こうなるとなんでも怪しく見えて来る)だけど思い当たらず。

最後のハットとステッキは完全にあるある様式美だから、特定の何かっていうよりただただ大好物です!!ありがとうございます!!!と思ってたのですが、急なゴルフ気になりません?で、見てないんですけど(見てないんかい!)チャップリンの『ゴルフ狂時代』って映画ありますね。ハット、ステッキ、ゴルフ、完璧です。しかもメルブルックスのライフワークであるヒトラーいじりも『独裁者』でやってるし、これはもしや、あらゆる舞台や映画のオマージュをたくさん仕込んだあげく、最後の最後に徹底的な社会風刺の喜劇王チャップリンもってきたかーー!!うわーーすごいーー!!と勝手に感動しています!あー楽しい!!!